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「PROTO総研/カーライフ」が実施した自動車に関する総合アンケートの結果まとめた「プロト カーユーザー レポート 2019」が発表された。このレポートは、現保有車の実態や自動車購入時の意識等を調査することで、今後の自動車マーケットの動向を探るための基礎データ作成を目的として、1999年から定点調査として毎年実施されている。今回は、中古車市場がいまどのような傾向にあるのか、「PROTO総研/カーライフ」所長である宗平 光弘が「プロト カーユーザー レポート 2019」を分析する。

「プロト カーユーザー レポート 2019」から読み解く中古車市場のいま 2019.4.2

本日は、「PROTO総研/カーライフ」が3月15日に公開いたしました「プロト カーユーザー レポート 2019」についてお話しさせていただきます。
この調査は、日本国内の中古車ユーザーを対象に実施したアンケートをまとめたもので、今後の自動車マーケットの動向を探るための基礎データ作成を目的に、1999年から毎年実施している定点調査です。
ユーザーの皆様が自動車についてどのような意識をお持ちなのか、そして実態はどうなっているのか。弊社では自動車関連に関する膨大なデータを保有しておりますが、このようなデータを蓄積、検証、そして広くみなさまにお伝えすることで、自動車業界の活性化に貢献させて頂きたく取組んでおります。

「プロト カーユーザー レポート 2019」はこちら

 

 

中古車の支払い総額

質問:あなたが現在主に運転しているクルマの支払い総額をお知らせください。

 

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中古車の支払い総額の平均は122.8万円で、前年比約1万円の増加となる。

それでは、調査結果のなかから、とくに興味深い内容について説明いたします。
まず注目したのは、「中古車支払い総額」のデータです。全国の中古車支払い総額の平均は122.8万円で、これは前年(平均121.3万円)に比べ1万円ほど増加していることになります。

ここ数年の傾向としては、100万円未満の中古車の割合が減る一方で、100万円以上300万円未満の中古車を選ぶユーザーが増えています。購入金額については、景気動向にも大きく左右されますが、近年のクルマには自動ブレーキに代表される先進サポート技術が搭載されており、こういったクルマに対する需要の高まりも支払い総額が増加する一因だと考えられます。

 

中古車購入重視点

質問:中古車は同じ車種、同じ価格でも、車両ごとに状態が異なります。以下それぞれの状態に関して、あなたが現在主に運転している中古車の購入時にどれくらい重視したかをお知らせください。

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データは中古車を購入する際に「重視した」、「やや重視した」の合計値。すべての項目でポイントが増加しており、品質重視の意識が見える。

次に、ユーザーの中古車に対する意識そのものが変化していることも伺えます。そのデータとして注目したいのが、「中古車購入重視点」です。ここでは、中古車を購入する際に重視した項目を質問していますが、ほぼすべての項目について、前年よりもポイントが増えていることがわかります。ここから推測できるのは、ユーザーが中古車に対して非常に多くのものを求めているということです。従来から重視されていた故障リスクに関わるものに加えて、内外装の品質感や装備の充実度といった、高品質かつ高機能な中古車をユーザーは求めている事がうかがえるのではないでしょうか。
かつて中古車に対して、「少しでも安いものがいい」、「つぎのクルマまでのつなぎ」といった声を聞くことがありました。もちろん、そのような安価な中古車を求めるニーズは引き続き存在するものの、現在ではクルマへの新技術や安全性への需要の高まりから、新車と同等の機能性や品質を要求するユーザーが増えてきているのではないでしょうか。

では、実際の所有車の傾向を明らかにしていきましょう。

 

中古車のボディタイプ

質問:あなたが現在主に運転している車のボディタイプをお知らせください。
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全体として実用的なクルマが人気を集める。新車で人気のSUVが伸び悩む理由は、まだ中古車の市場価格が高値であることが考えられる。

「中古車のボディタイプ」は、ユーザーがどのようなボディタイプを選んだのかがわかるデータです。「軽自動車(44.1%)」がトップとなり、つづいて「コンパクトカー(16.7%)」、「ミニバン/ワンボックス(15.9%)」と続きます。圧倒的に軽自動車が強く、全体として実用的なクルマが人気を集めていることがわかります。一方で「セダン」は9.4%に留まりました。参考までに、2010年に行われた調査(CUR2010)では、セダンのシェア率は22.5%で全体の2位でした。このデータからも、ユーザーの嗜好の変化が見て取れます。そして意外だったのが、ここ数年数多くの新車が登場し、人気を集めている「SUV/クロカン」の割合が、3.9%と低いままであることです。これは市場に流通しているSUVの中古車が、まだ流通が少なく割高だとユーザーに受け止められていることが推測できます。

 

次回購入検討しているクルマランキング

質問:あなたが次回購入を検討している自動車の車種をお知らせください。

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ランキングの結果からも依然として軽自動車人気の高さが裏付けられた。また、モデルチェンジにより認知度、人気を集めたクルマも多い。

具体的な車種名が挙がる「次回購入検討しているクルマランキング」は、ユーザーからの人気、そして知名度がわかるデータです。

この結果からも軽自動車およびコンパクトカー人気の高さが伺えます。なかでもスズキは、前年度ランキング圏外だったクルマが3台も10位以上のランキングアップを果たしています。新型登場によって魅力が再確認された「ジムニー」、同じくアウトドア風のテイストで実用性が高い「ハスラー」、そしてフルモデルチェンジした「スペーシア」も、タントに近づきつつあることがわかります。

そして日産「セレナ」、トヨタ「アルファード」といった人気のミニバンも順位を上げています。これは認知度の高さはもちろん、中古車市場での価格が買いやすいものになりつつあることも関係あるでしょう。

 

中古車の購入先

質問:あなたが現在主に運転している車の購入先としてあてはまるものをお知らせください。

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従来増加傾向であったメーカー系ディーラーが減少し、中古車販売店(専門店・専業店)が増加傾向となり同等な割合まで迫る結果となった。

中古車の買い方にも変化が現れています。「中古車の購入先」という質問では、ここ数年トップだった「メーカー系ディーラー」に「中古車販売店(専門店・専業店)」が迫るという興味深いデータが出ました。背景として考えられるのが、支払い総額の明確化や車両状態評価書の掲示、保証サービスの普及といった取り組みが広がってきており、安心して購入できる環境づくりが「中古車販売店(専門店・専業店)」で行われているからだと推測できます。一方で近年ブームとなっているインターネットオークションやECサイトといった、「個人売買」や「ECサイト」といった販売形態は、自動車業界にはまだ波及していないようです。これは、登録など、自動車業界ならではの制度等が関係しているのではないでしょうか。

 

購入・検討時に訪問した販売店舗数

質問:あなたが現在主に運転しているクルマを検討・購入した際、訪問した販売店舗数をお知らせください。
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「購入・検討時に訪問した販売店舗数」からは、全国的にみても半数以上のユーザーが1店舗のみの訪問にとどまっている。

データとしては、ここ数年同様の傾向となりますが、「1店舗」と答えたユーザーが59.5%にのぼり、「2店舗」から「5店舗以上」と答えたユーザーの合計よりも多いことがわかります。ここから導かれるのが、ほとんどのユーザーは販売店を訪れる前に、すでに購入するべきクルマを決定しているということです。これは、近年インターネットといった情報収集ツールが発達し、クルマや販売店に関する情報を入手しやすくなったことが理由として考えられます。また、ユーザー保護の取り組みが広く浸透したことで、中古車購入にまつわる安心が担保されるようになったことも関連しているでしょう。

 

「プロト カーユーザー レポート 2019」からは、中古車に対するニーズがより高品質、高機能になっていることが読み解けました。便利で使いやすく、なおかつ高品質なクルマを安心して購入したいというユーザーニーズからは、消費者の中古車に対する意識の変化を感じ取れます。

こうした市場動向には、中古車にまつわる情報が、詳細かつ多角的に掲載されるようになり、なおかつスマートフォンのような身近な端末からもより気軽に比較、検討できるようになったことも、背景として大きく関係していると考えられます。

さらに、車両状態評価書や総額表示の掲載など、近年中古車業界が積極的に取り組んでいる情報開示が業界の健全化を促進し、中古車販売店全般に対するユーザーからの信頼に繋がっているのではないでしょうか。

今後、通信ネットワークが「5G」時代となることで、中古車情報はさらに多く、細かく、スピーディに発信されるようになるでしょう。業界のさらなる健全な発展とユーザー様のより良い中古車購入のため、当社グーネットも日々新たなる取り組みを続けて参りたいと考えております。

 

 

 

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宗平光弘
株式会社プロトコーポレーション 常務取締役
ITソリューション部門担当。

「2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー」実行委員。

当サイト「PROTO総研/カーライフ」の所長を務める