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輸入車トレンド傾向

10月に開催の東京モーターショーを前にメルセデス・ベンツ日本は立て続けにサブブランドの新型モデルを発表いたしました。メルセデスのサブブランドと言われてもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、ひとつはAMG。もう一つはマイバッハです。
新型AMGモデルはフラッグシップのGTシリーズに連なるGTロードスター&GT Cロードスター及びEクラスAMGモデルを複数台と一気に6モデルを投入しました。一方、マイバッハはメルセデス・ベンツSクラスがベースのマイバッハSクラスです。
メルセデスブランドの傘のもと究極のハイパフォーマンスを追求するメルセデスAMGと、究極のエクスクルーシブ性を追求する威厳と風格を備えたブランドのメルセデス・マイバッハ。「最善か無か」をキャッチフレーズにするメルセデスの、さらなる極みを戴くサブブランドについて紹介いたします。

【オンリーメルセデス編集長コラム】メルセデスを支えるサブブランドとは 2017.10.23

マイバッハSクラス発表会で壇上に立つ上野金太郎メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長

 

メルセデスAMG GTロードスターは最高出力476馬力を発揮するオープンモデル
メルセデスAMG GTロードスターは最高出力476馬力を発揮するオープンモデル

 

日本で大成功を収めるAMG

公道を走るレーシングカーを自認するメルセデスAMG GT R。国内トップレースカテゴリーのGT300クラス同等のスペックを誇る
公道を走るレーシングカーを自認するメルセデスAMG GT R。国内トップレースカテゴリーのGT300クラス同等のスペックを誇る

 

昨年、日本で過去最高台数の5608台というセールスを記録したAMG。平均で軽く1000万円超えの車両価格が、それだけ日本で捌けたというのもAMGのブランドパワーを改めて知る思いですが、メルセデス・ベンツ日本のマーケティング力も見落とせません。今年設立50周年を迎えるAMGは世界初の専売拠点であるAMG東京世田谷をオープンさせました。これは堅調な日本のセールス力に本国サイドからお墨付きが付いたという見方もできます。というのも昨年発売されたAMG A45 レーシングエディションという限定モデルは、メルセデス・ベンツ日本が企画提案したモデル。AMGがその提案を受け容れるほど日本法人が確実に実績を積み上げ、説得力をもっていたということではないでしょうか。
今回のGTロードスターはAMG自社開発モデルであるGTのオープンモデルですが、兄弟車のGT Rにいたっては「公道を走れるレーシングカー」の異名を公式発信しています。その上でディスタンスパイロット・ディストロニックなどの安全・快適装備をしっかり搭載しているのですから驚きです。安心してGTマシンを公道で走らせることができるというのもサブブランドであってもメルセデスの矜恃を見せつけられる思いです。

 

「伝統」に「革新」を上書きするマイバッハ

マイバッハSクラスはSクラス・ロングよりさらに20センチもホイールベースを延長
マイバッハSクラスはSクラス・ロングよりさらに20センチもホイールベースを延長

 

さてマイバッハSクラスですが、年配の方なら飛行船ツェッペリン号搭載のエンジンで耳目に響いたことがあるのではないでしょうか。その他鉄道や船舶などにもマイバッハの開発したエンジンは採用されました。この歴史あるブランド名がメルセデスで再び復活したのが2002年。当時のダイムラークライスラー社の顧客からのSクラスを超えるプレミアムカーを、という要望に応えるためです。
今回のマイバッハSクラスは標準のSクラス・ロングモデルよりさらに20㎝も長いホイールベースを備えています。この20㎝の延長分はすべて後席の足下スペースに反映されています。何とも贅沢なコンセプト。その後席にはオットマン付きリクラインニングシートが奢られ、6種類のマッサージ機能と12インチ大画面モニターで楽しめるエンターテイメントシステム、保冷・保温ドリンクホルダーなどを装備。まさにVIPに相応しい仕様です。
当然プレミアムカーだけに高度な安全・安心の技術と知能が搭載されていることも見落とせません。特に磨き上げられた知能には注目です。コネクティビティ・つながる技術です。
上野金太郎代表取締役兼CEOは「例えば、世界中のどこにいても、お持ちのスマートフォンの操作一つでロック・アンロックする機能や24時間コンシェルジュサービスを受けることができる便利な機能が搭載されることになりました」といいます。新型Sクラスで既に発表されたこのコネクティビティサービスは、空港パーキングのロックし忘れたメルセデスを搭乗直前にスマートフォンでロックできるということです。マイバッハ・クラスなら、ユーザーはほとんどショーファードリブンと言われる運転手付きなので、この心配は不要かもしれませんが、このサービスが幅広く展開できるのもメルセデスの凄みです。

 

モーターパワーをファンなものに書き換える日は目前に

AIとEVにフォーカスされるモータリゼーションの動向は、当然メルセデス・ベンツの各モデルで進化と真価を体験することになります。もちろん今後もメルセデスが誇る二つのサブブランドの動きは見失ってはなりません。
実際、公道を安全に走れるレーシングモデルだからこそ味わえる究極のファンドライブを体現するAMGは、この東京モーターショーで「公道を走るF1」と呼ばれるAMGプロジェクト・ワンを発表すると思われます。1000馬力超のプラグインハイブリッドパワーの搭載が話題を集めることでしょう。それに先立ち、AMGの4ドアクーペ・GTコンセプトではEQパワーという4リッターV8ツインターボエンジンとエレクトリックモーターを搭載したモデルをすでに発表しています。マイバッハに限らずAMGもいよいよ本格的にモーターパワーを戦略化する時代になったのだと思うと感慨深いものがあります。おそらくバッテリー問題さえ解決できればピュアEVスポーツのAMGが早々にも登場するはずです。いつか?個人的推測ですが2020年前後ではないかと思われますが、いずれにせよAMGだから表現できるEVパワー。電動化に対する面白みの欠如などネガな意見もどこ吹く風なモンスターを期待してしまいますね。EVスポーツ時代の本格的幕開けをAMGは握っていると言えるでしょう。

 

マイバッハは意外にも豊富なラインアップを揃える。クラシカルテイストを取り入れたメルセデス・マイバッハS650カブリオレは世界で300台、日本では4台のみ限定販売。また、マイバッハ初のSUVであるG650ランドレーも春に登場。後席部分のみオープンになり、悪路でもオープンエアを楽しめるSUV。世界で100台に満たない限定(写真)モデルだが、すでに完売
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F1技術をそのまま投影した、いわゆる「とんでもモデル」のプロジェクト・ワン。先だってプレミアされたフランクフルトショーで、すでに予約完売という噂
F1技術をそのまま投影した、いわゆる「とんでもモデル」のプロジェクト・ワン。先だってプレミアされたフランクフルトショーで、すでに予約完売という噂
 

 

著者プロフィール オンリーメルセデス編集長 内海洋一