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新車販売台数に物申す!

日本自動車販売協会連合会から発表される新車の販売台数、車種別ランキングから見えてくる、各メーカーの戦略や市場のニーズ、中古車市場への影響などについて、自動車評論家でありカーマニアの清水草一が思うところを物申す!

【清水草一コラム】日産は賭けに出て勝ったのだ! 2017.3.13

日産の国内販売が快進撃を続けている。
昨年11月、「eパワー」の投入効果で、30年ぶりにノートが国内販売台数首位に輝いた時は、「日産レンタカーに大量に押し込んだのでは」等の情報もあり、一過性の現象かと疑ったが、12月もプリウスに次いで僅差の2位。1月はなんとノート/セレナでワン・ツーフィニッシュを決めた。

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現行セレナの登場は昨年8月24日。数少ない日産の国内市場専用車種であり、従来から国内販売の屋台骨を背負ってきたモデルではあったが、9月以降の販売順位を見ると、9位→3位→7位→9位と推移し、新型効果が大炸裂してわけでもなかった。
それがこの1月、突如2位に躍進したのである。
セレナ好調の要因として語られるのは、プロパイロット(同一車線自動運転技術)の投入だが、装着率は56%と、それほど高いわけではない。ハイブリッドモデルもない。それでハイブリッドを要するヴォクシー/ノア/エスクァイアを個別撃破(3兄弟の合計台数では負けているが)したのだから凄い。
2月は再びプリウスに首位を奪回され、ノート2位、セレナ5位となったが、それでもノートの台数はプリウスに肉薄している。日産の躍進は完全にホンモノである。

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「好調の最大の要因は、ノートeパワーにあると考えております。これが他の車種にもいい効果を与えておりまして、ピュアEVのリーフも売れ始めています」(日産自動車広報部)
私自身、ノートeパワーに試乗して、非常に面白いクルマという印象だった。走りはEVそのもので加速は鋭いし、なにより回生ブレーキを強めて、ブレーキを踏まなくても運転できるようにした点が斬新だ。BMW i3やテスラなど欧米のEVは以前から似たようなセッティングを施していたが、マニアックすぎて日本の一般ユーザーには違和感が強いだろうと思っていたのである。
ところがこれがウケた。一般ユーザーも、この新しい運転感覚を大いに気に入っているという。日産は賭けに出て勝ったのだ!
このeパワー効果で来店客が増え、セレナのプロパイロットにも注目が集まり、リーフにまで効果が波及しているという正のスパイラルなのである。


日産 セレナ

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日産 リーフ

 

1月の日産の国内販売は、前年同月比31%増。2月は同じく22%増だ。ただ、売れているのは相変わらずノート/セレナ/エクストレイルだけ。1月はこの3車種で販売の約75%を占め、他の車種は軒並み不振という状況は変わっていない。
ところで、ライバルのトヨタは日産の好調をどう見ているのか? 近所のトヨタディーラー営業マンに聞いてみた。
「いやぁ~、正直まったく実感はないですねぇ。アクアがノートに競り負けたことも皆無ですし……。そんなことより清水さん、クルマ買ってください! 期末で僕の成績の方が大変なんです!」

 

清水さんプロフィール