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新車販売台数に物申す!

日本自動車販売協会連合会から発表される新車の販売台数、車種別ランキングから見えてくる、各メーカーの戦略や市場のニーズ、中古車市場への影響などについて、自動車評論家でありカーマニアの清水草一が思うところを物申す!

【清水草一コラム】1位はフェラーリ、2位はランボルギーニ 2017.2.13

昨年、日本で最も売れた輸入車ブランドは、前年に引き続きメルセデスベンツだった――というニュースは、皆様ご存じだろう。一方、スーパーカーで一番売れたブランドは何だったか? いったいどれがスーパーカーブランドでどれがそうでないのか定義が曖昧だが(というより定義など存在しないが)、独断で選定させていただくと、こうなる。

2016年のスーパーカーブランドの販売台数

仮にここにポルシェを入れると、フェラーリの約10倍の数字になるが、除外した。なぜならポルシェは、カイエンとマカンというSUVの販売台数が過半を占めているし、スーパーカーと呼べるのは911の上級車種に限られるからだ。
他方ここに上げた4ブランドは、全モデルがスーパーカーと呼ぶにふさわしく、今のところSUVモデルもない(来年、ランボルギーニが発表予定)。
ご覧のように、1位はフェラーリ、2位はランボルギーニだ。この順位は長年不動だが、台数の差は徐々に縮まっている。
たとえば2008年は、フェラーリ412台に対してランボルギーニ151台と、3倍弱の差があった。さらにさかのぼると、その差は5倍程度あったと記憶している。

フェラーリ458、マクラ―レンMP4-12C

ところが昨年は、ついに2倍を切った。フェラーリも伸びているが、ランボルギーニはそれ以上に激しく販売を伸ばしている。背景には、第一にランボルギーニの劇的な品質向上がある。1999年にアウディ傘下に入り、その品質管理技術が導入されたことで、フェラーリ同様、もはや誰でも気軽に乗れるスーパーカーになった(バックは気軽にできないが)。

lamborghini_aventador

ブランドイメージも極めて高い。特にここ日本では、スーパーカーブーム当時、カウンタックがその象徴として崇拝された歴史的経緯もあり、「ランボルギーニの方がフェラーリより格上」という感覚がある。オーナーの皆様も、まずフェラーリから入門してランボルギーニにステップアップするパターンが多く、その逆はほとんどいないという。
昨年のランボルギーニの日本販売台数である「382台」という数字は、聞くところによると、アメリカに次いで世界第2位だという。2015年は中国に次いで第3位だったので、中国を抜いたらしい! 今どき高級品の販売数で日本が中国を抜くなど、滅多にあることではない。それほどまでにランボルギーニは日本で愛されているし、イタリア本社も日本市場を極めて重視している。

ランボルギーニウラカン

ところで本国イタリアでは、フェラーリとランボルギーニの地位はどうなのか?
その問いに対してかつてジローラモ氏は、「ランボルギーニはイナカッペの人が乗るクルマです」と語ったが(笑)、現在はどうなのか。
イタリア在住自動車ライターの大矢アキオ氏によると、「フェラーリはイタリアの誇り。崇拝に近いものがあります」。一方ランボルギーニはというと、「名前は聞いたことあるけど、クルマのメーカーだっけ? か、もしくは存在を知らない人が多いです」というのである! 販売台数を見ても、イタリアでは依然としてフェラーリのほうが3倍以上売れている。生産台数の差は約2倍だから、イタリアでは現在もランボルギーニは不人気、と言っていい。つまり、イタリア人にとってランボルギーニは、イナカッペの外国人が買う輸出専用品(?)なのである。日本で言うと、中国人向けの220V仕様超高級炊飯器みたいなものですかね?

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清水さんプロフィール