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新車販売台数に物申す!

日本自動車販売協会連合会から発表される新車の販売台数、車種別ランキングから見えてくる、各メーカーの戦略や市場のニーズ、中古車市場への影響などについて、自動車評論家でありカーマニアの清水草一が思うところを物申す!

【清水草一コラム】日産の国内販売は3車種で8割を占める 2017.1.13

日産ノートが、日産車として30年ぶりに国内月間販売台数で首位に輝いた。カルロス・ゴーン氏のもとでグローバル化を推進し、国内市場を軽視してきた印象が強かっただけに、この快挙に「まさか!?」と思った関係者は少なくなった。
ところで、ノートが販売台数首位に輝いた2016年11月、その他の日産車はどんな感じで売れていたのだろう?

2016年11月の日産車の販売台数

日産はこの月、合計で31,718台(乗用車のみ)を売り、前年同月比で約60%増という躍進ぶりだったが、それでも21車種中、売れていると言えるのはノート、セレナ、エクストレイル、そして三菱自動車と共同開発(実質的には三菱自動車の開発・生産)の軽自動車・デイズ/デイズルークスまでで、他は軒並み不振だ。
たとえばマーチ。かつては国内販売の主力車種だったが、現行モデルがタイ生産となってから極度の販売不振が続いている。すでに主力小型車はノートにチェンジしているので、問題ないと言えばないが……。
キューブもかつては国内販売の主力だったが、小型車は販売促進をノートに集約していることもあり、このような販売台数になってしまっている。2代目キューブは「史上初の成功した和風自動車デザイン」として、個人的に大絶賛しており、3代目も悪くなかったのだが、その遺産を生かしていないのは誠に残念だ。

日産 マーチ

日産 マーチ

日産 キューブ

日産 キューブ

ジュークも登場当初はよく売れたし、グローバルで見れば現在もヒット中だが、国内では賞味期限切れの感が強い。大胆なエクステリアデザインには見るべきものがあるが、しかしその時間的耐久性はというと、当初から疑問符がついた。つまり一過性の飽きられやすいデザインという懸念はあったわけだが、国内ではすでに飽きられた気配が濃厚だ。
エルグランドは、かつて高級ミニバンの代名詞だったが、その地位を後追いのトヨタ アルファード/ヴェルファイアに完全に獲られてしまった。現行モデルはデザイン、パッケージングに新しい挑戦があり、クルマとしては悪くないのだが、需要とうまく噛み合わなかった。

日産 ジューク

日産 ジューク

日産 エルグランド

日産 エルグランド

シーマ、フーガ、スカイライン、ティアナ、シルフィ、ラティオというセダン勢の不振は惨憺たるものだ。ラティオなどなぜ日本に投入したのか、その意味すらわからない。
このように、日産の国内ラインナップは、極端な話、ノート/セレナ/エクストレイル(+軽自動車)があればそれでいい、とも言える状況だ。なにしろ、この3モデルで乗用車販売全体(軽は除く)の約8割を占めているのだから。
経営効率化のためには、販売車種をもっと絞ってもいいわけだが、それでもキューブやエグルランドといった名車は、次回フルモデルチェンジでなんとか立て直してもらいたいし、GT-RやフェアレディZという日産のアイデンティティを担うスポーツモデルは、どんなに売れなくなっても、是非販売継続を望みたい。もちろん、フルモデルチェンジも行っていただいきたいものだ。

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清水さんプロフィール