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『BPグランプリ』決勝大会レポート

去る10月29日(土)と30日(日)に千葉の幕張メッセを舞台にして、板金・塗装・見積りの技能を競う競技会『BPグランプリ2016』の決勝大会が行われた。その模様をレポートする。

板金、塗装、見積りの日本一を決定! 2016.11.24

今回で3回目となる『BPグランプリ2016』は、板金・塗装・見積りといったそれぞれの業務に従事しているプロフェッショナルを対象に行われ、全国を10ブロックに分け、各ブロック1位の選手が決勝進出者として選ばれる。今回は地区1次予選の学科(WEB検定)・実技が3月から4月まで行われ、地区地区2次予選(学科・実技)に進出する300名を選出。決勝では選抜された30名のファイナリストがお互いの技能を競い合った。決勝でも、実技(得点比率80%)に加えて学科(得点比率20%)科目も用意されているため、総合的な能力が求められるコンテストになっている。

 

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会場では、実技試験の模様が公開され、競技者たちが課題に取り組む姿を見ることができたのだが、見学する来場者の多くも自動車業界に携わる関係者とあって、その表情も真剣。

板金部門では、右ドアパネルの線傷とプレスラインの凹みを修復するという課題であったが、公開されたテスト用のドアパネルを囲んで、斜めから見たり、手で表面をなでたりと、それぞれの仕事ぶりをじっくりと確認していたのが印象的。

塗装部門で出された実技の課題は、メーカーの色味からずらして調色・塗装されたパネルに、隣接するパネルがあることを想定してパネル内でボカシ塗装を行うというもの。高度な要求に対しても、各競技者はそれぞれのスキルを発揮し作業を行なっていた。

そして、見積り部門では、1日目に筆記試験および見積りソフトを使った事故車の見積書作成を、2日目は接客対応のロールプレイングが課題となった。審査にあたっては接客コンサルタントも加わって、言葉づかいや応対の態度などもチェックされるという、実践的な内容だった。

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また、競技が行われた会場の一角では、板金・塗装・見積りに関する商品や技術、サポートサービスの展示も実施。近年では、コスト管理や環境保護への対応などで自動車業界を取り巻く環境がめまぐるしく変化し、事業に従事するひとびとの意識や知識はつねにアップデートが求められているが、それに適応するためのソリューションも各社から提案されており、そういった最新の業界動向を知ることができるよう工夫されているところにも、イベント主催者の業界発展に貢献するという意気込みを感じることができた。

競技終了後に行われた閉会式では、審査に携わった有識者から各課題の出題意図や難易度の高さについての講評が行われたが、参加者それぞれのレベルが高く、充実した大会になったとの言葉を聞くことができた。最後に、各部門の優勝のコメントを紹介する。

板金部門 第1位 田中正保さん(中国四国ブロック代表・小泉自動車 工業)

「仕事をするうえで普段から意識しているのは、『次の仕事につながるような仕事をする』ということ。近年の車両には、高張力鋼板など複数の素材が使われていますし、軽自動車のように鉄板に張りがなくて板金が難しいものがあります。そこはいろいろな方法を試して、なんとか対応しています。優勝できたことは、まだ信じられないような気持ちです。これまでコツコツと積み重ねてきたことが、今回の優勝につながったと思いますが、今後ももっと上目指して頑張っていきます」

 

塗装部門 第1位 宮下善貴さん(関東南ブロック代表・中山自動車工業)

「BPグランプは、201年8月に第1回の告知がされたのを知って、すぐに参加を申し込み、そこから4年間挑戦してきました。第1回が準優勝だったことで油断をしてしまい、第2回では惨敗し、大変悔しい思いもしました。そこから、どんなことにも全力で向かうという考えで、慢心やプライドを捨てて、最初から最後まで心をこめて作業しました。今回優勝することができて、本当に良かったと思います。」

見積り部門 第1位 荒川昭彦さん(東北ブロック代表・親和自動車整備工場)

「BPグランプリに参加するのは3回目で、周囲からも優勝を期待されているのを感じていました。しかし、つねに自信を持って仕事をしていますので、一生懸命やれば結果は自ずとついてくるものだと思いました。表向きにはふざけてみせることもありますが、見えないところでは『やってやるぞ』と頑張りました。競技では、ロープレでは的確にゆっくりと話すことを、見積りでは損傷がほかの部分に波及しているのを見落とさないよう心がけました。優勝できたのは素直に嬉しいですね。」