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輸入車に乗っているだけじゃ、もう個性的ではない時代のようです

今年(2016-17)のカー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)の10ベストが発表されました。驚くべきはその10台のうち、輸入車が6台もノミネートされていたということです。過去10年を振り返ってみても、輸入車の10ベスト入りは最高でも5台。日本のCOTYなのに国産車の選出が過半数を割るという今年の状況から見ても、日本における輸入車の存在感はかなり増してきているのだなと思うわけです。

【af imp.編集長コラム】輸入車カスタマイズトレンド傾向 2016.11.16

私がaf imp.という雑誌に携わり始めた頃はというと、輸入車はまだまだ『マイノリティ』であり『特別なもの』であり『高いクルマ』でありました。日本に入ってくるグレードもかなり限られていて、素のモデルではなく、上級グレードでオプションてんこ盛りの車両が多かった(これは今でも続いていますが)ですね。だからこそ輸入車のブランドというものが構築できたのだと思いますが、今は多くの輸入車メーカーがフルラインアップ化していて、それこそ『普通の車種の普通のグレード』が輸入されるようにもなりましたし、欧州では当たり前のディーゼルも一部ですが入ってくるようになりました。

このように欧州でごく普通に走っているベーシックなモデルも輸入されるようになった。特別なクルマから普通のクルマへと輸入車はその存在を変えつつある。

このように欧州でごく普通に走っているベーシックなモデルも輸入されるようになった。特別なクルマから普通のクルマへと輸入車はその存在を変えつつある。

 

つまり輸入車が『普通の存在』にずいぶん近づいたと思うのです。新車だけでなく、中古車の玉数もかなり増加しましたし、海外から見ても「日本は中古車の質が非常に高く、安い」という状態です。だからここ数年ちょっと古めのフェラーリやポルシェが、それもかなりの数が国外へと流出してしまっているとも聞きます。残念な話です。

空冷時代の911は、その多く個体が国外へと流出し、国内に残った良質な車両は価格が高騰してしまっている。これはなにも911に限った話ではないようだ。

空冷時代の911は、その多く個体が国外へと流出し、国内に残った良質な車両は価格が高騰してしまっている。これはなにも911に限った話ではないようだ。

 

そんな輸入車ですから、個性的あることを表現するためのアイテムとしては、その効力が減ったと言ってもいいかもしれません。ひと昔前にBMW 3シリーズ(E30)が「六本木のカローラ」と揶揄されたことがありましたが、六本木と言わず日本各地でその状態になりつつあるのではないでしょうか。今や7人乗りのFFまでラインアップしたBMWですから、十分過ぎるほどにファミリーカーであり、日常の足として生活に溶け込んでいるわけです。

そうなるとお隣さんもお向かいさんも輸入車なんてことにもなってくるわけで、それではせっかく買った輸入車でも埋もれちゃいますよね。自分が満足だからいい。もちろんその通りなんですが、例えば買い物に行ったら駐車場に白いハイブリッドカーや黒いミニバンがずらりと並んでいたっていう光景はよく目にすると思います。

オーダーでテクノバイオレッドにしたM3。それだけでも十分に個性的だが、足下にはBBSのジュラルミン鍛造RI-Dを履き、さらにオリジナリティをプラス。

オーダーでテクノバイオレッドにしたM3。それだけでも十分に個性的だが、足下にはBBSのジュラルミン鍛造RI-Dを履き、さらにオリジナリティをプラス。

 

そんな光景と同じような状態になるのなら、ちょっと個性を追加してみてはどうでしょうか? 日常の足、生活のための道具と割り切っているのもいいですが、ちょっと手を加えるだけで、愛着が出てくると思うのです。例えばホイール。日本は一部を除いて降雪がありますから、スタッドレスタイヤを用意している方も多いと思います。ならば、純正で装着されてきたホイールをスタッドレスタイヤ用にして、夏タイヤを別のものに替えてみてはどうでしょうか? 雰囲気がずいぶん変わって、ドライブも楽しくなると思います。

今後は、ホイールだけでなく、いろいろな部分でちょっと自分の好みを加えた輸入車が増えてくるのではないでしょうか。個人的な願望も多々含まれていますが、やはりもっと輸入車を自由に遊んだ方が楽しいと思うのです。というわけで今回は、輸入車個性化のおすすめでした。

 

af imp.編集長 熊崎圭輔