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【連載コラム】カーライフ分析

PROTO総研では、長年にわたり中古車購入に関するユーザーデータを蓄積してきた。当コーナーではその膨大なデータを利用して、中古車購入の実態や傾向について分析していく。(掲載されている内容はグー本誌2018年10月号の内容です)

購入を意識した際に、直接販売店へ 足を運ぶユーザーが増えている理由とは? 2018.8.31

一億総ネット時代に反する
意外なユーザー動向データ

近年はクルマを買う時に、ウェブサイトで情報を得るのが常識になった。ただしユーザーデータを見ると、まず最初にディーラーや中古車販売店へ出かけたというユーザーが以前よりも増えている。訪問した店舗数も増加傾向にあり、「訪問しなかった」と返答した人は減っている。
また最初にウェブサイトで調べる人は減っていて、購入を意識してから納車までの期間を見ると、1週間以内に完了させるユーザーが減り、1か月以内や3か月以内が増えた。
これらから読み取れるのは、ユーザーが購入に対して慎重になっているということだ。インターネットのなかった時代に比べると短期間で選ぶようになったが、数年前と比べると、現物を見たり、店舗で話を聞くというユーザーが増えているのだ。
この動向と併せて、中古車購入時に実施・依頼したサービス内容を見ると、保証/メンテナンスパック/オイル・フィルター交換などが増加傾向にある。つまり慎重に選び、長く大切に使いたいユーザーが中古車でも増えているということだ。
その背景にあるのは、安全装備の充実や環境性能の向上で、新車価格が高まったこと。新車では小型車への乗り換えが進み、サイズを小さくしたくないユーザーは、中古車も検討する。後者の場合、費用が多少高くなったとしても、長く安全に使えることを重視するから、ウェブサイトの情報だけには頼らず、直接販売店へ出かけて話を聞くことになる。カーライフがユーザーにとってそれだけ切実になっているわけだ。

 

[購入を意識した時に最初にとった行動]

 

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「Webで車両情報を調べた」ユーザーは最も多い割合だが、年々減ってきている。その一方で、人に相談したり、直接店舗を訪れたユーザーが増えてきている。

 

 

[中古車購入時に実施・依頼したサービス]

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1位から3位の項目に関しては、すべてここ3年で増加傾向にある。中古車においてもユーザーが求めているのは「安心」なのだろう。

※データを引用した『カーユーザーレポート2018』は、自動車を所有するユーザー6181人に対して、2017年12月に実施したアンケート調査をまとめたもの。
※グラフの%の値は小数点第2位以下を四捨五入しています。

 

 

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中古車の信頼性は時代とともに向上してきた。とはいえ、初めて中古車を購入するユーザーや、年式の古い物件、走行距離の多い物件などを選ぼうとしているユーザーにとっては、車両コンディションは最も心配し、重視すべきところとなる。

 

Profile/自動車評論家 渡辺陽一郎
ユーザー側の視点に立つことにより、「読者に損をさせない」記事の執筆を心がけているカーライフ・ジャーナリスト。