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自動車研究所 調査レポート

PROTO総研は、「クルマ情報誌Goo」「グーネット」で長年に渡り蓄積してきた自動車に関する膨大なデータを、社会・生活者が必要とする話題に再編集・発信し、「よりよい暮らしを築く知恵となるカーライフ情報」を皆様にお届けしていく。今回はエリア別の中古車購入金額と次回予算についてのアンケートを実施し、そこから情報を読み解く。

エリア別の中古車購入と次回予算に違いはあるか? 2017.7.24

そもそもなぜ地域別で異なる傾向が出るのか?

まず、今回のテーマを紐解くにあたって「なぜ地域別に異なる傾向があるのか」という点を整理してみたい。なぜなら、地域別データは男女比や年齢構造が異なっているため、結果的に地域の違いと見られる部分でも、年齢や性差が影響を及ぼしている可能性があるからである。一般的に考えて、地域差が出そうな要因としては「気候」、「所得」、「交通インフラ」の3点が考えられる。例えば降雪地帯であればSUVの需要が高まるだろうし、平均所得と購入価格は比例する。また、交通インフラがどのくらい充実しているかでクルマに対する優先順位が異なってくるなどという部分である。こういった部分も加味して今回のデータを分析していきたい。

 

村上裕太郎

 

地域によってボディタイプに違いは見られるか?

 

現在所有しているクルマのボディタイプ

現在所有している車両のボディタイプについての質問を見てみると、全体の44.7%とかなりの割合を軽自動車が占めている。しかし、北海道と関東地方での軽自動車の割合は他の地域に比べて低い数値となっている。さらに北海道ではコンパクトカーの割合が高くなっている部分に注目したい。これについては、北海道は気候・地理的な影響が大きいと考えられる。例えば、雪が多く、凍結などにより道路の状態が悪い、土地が広いため長距離運転が多い、などである。そのような特徴から、安全性や長距離運転の疲労等を考えて、軽自動車を避ける傾向があるのではないだろうか。一方で交通インフラの整った大都市圏を擁する関東地方や近畿地方ではクーペやオープンなど、趣味性の高いクルマの割合が比較的高くなっており、これは趣味で保有する人が多いからだと推測される。また、中国、四国、九州地方では軽自動車の保有率が50%を超えているが、これは当該地域の鉄道網がそれほど発展していないためクルマ社会となっており、比較的安価で維持費も安く運転しやすい軽自動車が人気であると考えられる。

 

 

現在所有する車両の購入価格にはバラつきが

 

現在所有しているクルマの購入金額の平均値

 

現在所有しているクルマの購入金額帯で50万円未満の割合

次に現在所有している車両の購入金額についてのデータを見てみたい。全国の平均購入価格は118.56万円となっているが、それを大きく超えるのが関東地方の140.06万円である。これは、日常の足としてではなく、趣味のひとつとして自動車を保有している層が多いからと推測される。一方で北海道や中国、四国、九州地方のユーザーは比較的安価な車両を日常の足として使用していることから、購入金額の平均も低くなっているようだ。また、購入金額帯については九州地方で50万円未満の割合が24.5%と比較的高い数値となっている。これは九州地方に沖縄県が含まれているからで、特に沖縄ではクルマ社会であることと、相対的に所得が低いため、比較的安い車種を選んでいるからだと考えられる。

 

 

次回購入の予算はどの地域も上昇傾向

 

次回検討しているクルマの購入金額の平均値

次回購入を検討している自動車の価格帯については、すべての地域で現在所有している車両の購入金額よりも高い数値を示している。これは現在でもクルマの乗り換えはステップアップしていくもの、という考えが反映された結果と言えそうだ。なお、全体の平均は188.19万円と現在所有している車両の購入金額のおよそ+70万円となっているが、北海道に関しては+50万円とかなり保守的な答えが返ってきている。これはやはり北海道でのクルマは日常の足としての側面が大きいことや、融雪剤の影響や広大な土地故に走行距離がかさむなどして、クルマの消耗が早いためにそこまでお金をかけない土地柄なのかもしれない。

 

 

北海道では下取りが四国では廃車が多い

 

前回所有していたクルマの処分方法は?

日常の足としてクルマへの依存度が高い地域は北海道と中国、四国、九州地方ということが分かってきたが、乗り換え時の旧車両の処分方法で違いが見られた。北海道では半数以上のユーザーが下取りに出しているのに対して、四国や九州地方では廃車にしたユーザーが3割ほどとなっている。どちらの地域も日常の足としてクルマを使用しているにも関わらずここまでの違いが出るというのは興味深いポイントだ。

 

 

地域によって金額に違いがあるのはクルマに対する価値観の違いが影響

(まとめ)

クルマ離れが叫ばれる昨今だが、今でもクルマが生活必需品である地方は少なくない。そのため、完全に普段の足として割り切って購入しているユーザーが多い地域では、割ける予算が少なくなるのは当然のことだろう。一方、首都圏では趣味としてクルマを所有するユーザーが多く、ますます二極化が進んでいくのではないだろうか?

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◆調査概要
調査期間:2016年12月27日(火)~2017年1月4日(水)
調査地域:全国47都道府県
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:世帯で中古車を所有し、主に運転している20歳以上の男女
有効回答数:全6,179サンプル
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