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自動車研究所 調査レポート

PROTO総研は、「クルマ情報誌Goo」「グーネット」で長年に渡り蓄積してきた自動車に関する膨大なデータを、社会・生活者が必要とする話題に再編集・発信し、「よりよい暮らしを築く知恵となるカーライフ情報」を皆様にお届けしていく。今回は「カーナビ」について、掘り下げてみた。

カーナビに対するユーザーの意識は? ニーズが高いのは車載ナビかナビアプリか? 2017.1.23

村上裕太郎

カーナビの歴史は実はまだまだ浅かった

カーナビのアンケート結果を分析する前にカーナビの歴史をおさらいしよう。実はカーナビの歴史は浅く、1981年に登場したホンダ・アコード/ビガーに搭載された「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」が世界で初めて市販車に搭載されたものだった。今のようにGPSを用いたナビゲーションはさらに新しく、1990年に発表されたユーノス・コスモが初となる。つまり、カーナビゲーションの歴史は30年にも満たないものなのである。なお、1991年にはパイオニア株式会社が世界初の市販GPSカーナビを発売。本体価格は35万円であったが、オプション品などを加えてシステムを組むと50万~80万円という超高級品であった。

 

現在ユーザーが使用しているのは

車載ナビかナビアプリか?

あなたが主に運転している自動車で、普段主に利用しているカーナビの種類は?

まず、ユーザーが普段最も使用しているカーナビの種類を聞いてみたところ、一番多いのが市販の車載ナビで43.7%、次いでメーカーオプションの車載ナビで31.1%、そしてディーラーオプションの車載ナビで11.3%と車載ナビが86.1%と高いシェアを持っていることが分かった。一方、ナビアプリをメインで使用しているのは6.5%と少数にとどまっている。この傾向は20代の若い世代から60代以上のユーザーまで同一の傾向となっていた。熟年層はまだしも、若年層はスマホ普及率も高いため、もう少しナビアプリの使用率が高いと予測していたが、意外な結果となったというのが正直な感想である。

 

カーナビで多く使われている機能は?

あなたがカーナビでよく利用する機能・サービスをお知らせください。(いくつでも)

車載ナビの魅力はナビゲーション機能以外もさまざまな機能が搭載されていることだろう。このアンケートではカーナビの機能でよく利用するものを複数回答で挙げてもらっている。当然、ルート案内が94.7%と圧倒的な数値となっており、それに付随する「施設・観光地などの検索機能」(26.9%)、「VICS(道路交通情報通信システム)」(18%)、「渋滞予測機能」(10.2%)もある程度高い数値をマークしている。また、「音楽の録音・再生など」(40.3%)、「テレビ鑑賞」(28.8%)、「DVD/ブルーレイ鑑賞」(15.4%)といったAV機能の利用頻度が高いことも伺える。このあたりのAV機能についてはスマートフォンやタブレット端末に比べ車載ナビの方が優れているというのも車載ナビの支持が高い要因と言えるかもしれない。ただ、これほどルート案内の利用率が高いにも関わらず、地図更新の頻度を訪ねたアンケートでは半数以上の58.1%のユーザーが「わからない/更新したことはない」と答えている。これは地図更新の煩わしさや、コストの問題が影響していると考えられる。一方、ナビアプリの多くが自動的に最新の地図になるように通信をしているため、新たに開通した高速道路や一般道が随時更新されている。その点ではナビアプリが優れていると言えるのではないだろうか。

 

カーナビを購入するきっかけと

中古車を選ぶきっかけの関係

あなたがカーナビを購入したきっかけをひとつだけお知らせください。

あなたが主に運転している自動車を購入する際、以下のカーナビに関する項目についてどの程度重視しましたか。

現在クルマにカーナビを装着しているユーザーに対して、カーナビを購入したきっかけを訪ねたアンケート結果によると、「中古車・新古車(登録済み未使用車)の購入に伴って」という理由が29.9%と最も高かった。これは2位の「価格が安いから」(11.3%)という理由の2.5倍以上となっている。また、中古車を購入するにあたってカーナビが付いているかどうかを「重視した」、「やや重視した」というユーザーが54.6%と半数以上を占めていることからも、クルマの購入とカーナビの購入は相関関係があると言えるのではないだろうか。特に車両購入と同時であれば、カーナビの代金もローンに組み込むことも可能なため、購入へのハードルが下がると考えられる。もちろん最初から購入するクルマに装着されていればそれ以上の出費をせずに済む、という考えもあるようだ。

 

ユーザーがカーナビに求めていることとは?

あなたがカーナビに対して、もっとも求めていることをひとつだけお知らせください。

多機能がウリのカーナビも存在するが利用するユーザーから見た場合、どのような部分を求めているのだろうか?このアンケートによると一番求めているものはやはり「目的地までの最短距離ルートの案内」で29.6%であった。また、「使いやすさ」(21.0%)や「地図の見やすさ」(15.4%)など、ユーザービリティの向上を求める声も多かった。一方で「オーディオ関連(音質など)」や「TV関連(ワンセグ対応、画質など)」についてはどちらも2.8%と使用頻度の割には優先度はそれほど高くなく、“機能としてついていてほしいが、ハイスペック化はそれほど望んでいない”というユーザーの考え方が浮き彫りとなっている。なお、カーナビに対する価値観は年齢層によって大きく異なっており、「車載カーナビに多機能性を求めているか」という質問に対して、20代のユーザーの40.0%が「やや求める」と答えている一方、60代以上のユーザーで「やや求める」と回答したのは10.7%にとどまっており、「やや求めていない」と回答したのは42.9%に上っている部分は興味深いところである。

 

 

(まとめ)

日本でのナビアプリの普及は視認性をクリアすることが必要

日本では依然として車載ナビ利用者が多く、中古車購入時においても購入するきっかけとなる。
最短のルート探索を求めているユーザーが多い一方、使いやすさや地図の見やすさを重視するユーザーも多い。
そのため日本でナビアプリが普及するためにはユーザビリティや画面の大きさなどの視認性をクリアする必要がありそうだ。

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◆調査概要「カーナビに関する調査」
調査エリア:日本全国
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:中古車購入者でカーナビ利用者 20歳~69歳の男女
有効回答数:1,000サンプル
調査期間 :2016年12月22日(木)~2016年12月23日(金)
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