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PROTO総研/カーライフ インタビュー

プロトコーポレーションでは本日2017年7月5日、日本国内在住のバイクユーザーを対象に、保有バイクの実態やバイク購入時の意識の実態などを調査し、購買行動におけるユーザーの行動思考やパターン、バイク関連サービス・商品の認知・利用状況を調査した「バイクユーザー レポート 2017」を発表。ユーザーの意識、動向は時代と共に大きく変化しており、それと同様に、バイク業界における「情報公開」のあり方も刻々と変化している。PROTO総研では、昨年11月、自動車公正取引協議会に中古車(クルマ)の広告表現おける「これから」の情報開示についてお話を伺ったが、今回は「バイクユーザー レポート2017」の結果を基に、バイクの情報開示の現在と今後についてお話を伺う。

消費者保護の観点におけるこれからの情報開示について【バイク編】 2017.7.5

バイク市場の活性に必須となる透明性と信頼性の確保のために

(出演者すべて敬称略)

清水 前回お伺いした際に、一般社団法人自動車公正取引協議会(以下、公取協)について、組織の役割と沿革をお教えいただきました。(消費者保護の観点におけるこれからの情報開示について)消費者の適正な商品選択の保護と事業者間の公正な競争の確保、促進を図ることを目的とされているということですが、今回はバイクについてのお話をお伺いしたいと思います。二輪部門の組織沿革についても改めてお教え願えますでしょうか。

鈴木 「二輪自動車公正競争規約」は、自動車の規約から30年以上遅れた、2003年10月に施行されました。実は、1987年に新車バイクについては、「自動車公正競争規約」が適用(準用)されたという経緯がありましたが、普及はメーカー、ディストリビューターを通じて行われ、バイク販売店は公取協の会員になっておりませんでした。
しかしながら、本田技研工業株式会社の会長であった宗国旨英氏に当協議会の会長を務めて頂いていた時、バイクの国内市場が大幅に縮小する情勢を受けて、ユーザーの信頼度を高めるためには、バイク(とくに中古バイク)販売の透明性・信頼性の確保が不可欠、という声がバイク業界に高まりました。そこで、新車・中古車それぞれについて、バイク独自の表示ルールが作られ、「二輪自動車公正競争規約」として2003年10月に施行されました。公取協事務局にもバイク専門の部署が置かれ、メーカー、ディストリビューターやバイク関係団体の協力を得て、バイク販売店の入会促進、規約の普及活動を開始いたしました。
現在、「二輪自動車公正競争規約」施行から約14年が経過しましたが、この間、バイク販売店の店頭表示については、国内4銘柄の準規約指導員によるチェック、アドバイス活動等により、広告表示については、貴社をはじめとしたバイク情報誌・メディアのご協力により、規約の普及を図ってまいりました。現在では、会員バイク販売店は、約5,070社で、販売店経営者の高齢化等による廃業により、最多時より600社減となっています。

清水 日本国内のバイク市場は1982年の320万台がピークとされています。経営者の高齢化はもちろん、市場の変化に合わせたバイク販売店の統廃合といった業界再編の動きも関係しているのではないでしょうか。
ここで当社のバイク事業について紹介させていただきますと、バイク情報誌である「GooBike関東版(現 首都圏版)」「GooBike東海版」「GooBike関西版」 を2001年8月に創刊しました。続く9月には「GooBike九州版」 を、その後も2004年に「GooBike北関東版」、2007年には「GooBike中国版(現 中四国版)」「GooBike東北版」を、2011年には「GooBike沖縄版」を創刊と、全国各地で情報誌によるメディア展開を行なってきました。また、創刊時からインターネットにも力を入れておりまして、PC、スマホからでも全国のバイクが探せる仕組みを構築しました。2017年6月現在で、約144,000台のバイクが掲載されています。「Goo」というメディアは中古車のイメージが強いかもしれませんが、中古バイクの掲載が75,000台であるのに対して、新車バイクも69,000台と非常に多くなっています。表示の適正化については「GooBike」創刊当時から重大な関心を持って、適正化を推進しながら事業を運営してまいりました。これは1977年の創業以来当社が中古車流通事業と一体となって沿革していくなかで培ってきた知見を反映させたもので、消費者保護および公正な競争こそが市場を活性化させるという考え方に基づくものです。
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消費者トラブルの原因となる古い商慣習と消費者保護意識の低さ

清水 以前、公取協にはユーザーから年間約6500件の苦情や相談が寄せられ、そのうち約1割がバイクに関するものというお話を伺いましたが、クルマと比較して、消費者からの相談では、どのような内容のものが多いのでしょうか。また、不当表示を行う事業者についての対策においては、バイクならではの特色はあるのでしょうか。

鈴木 消費者からのトラブル相談は年間約6,500件(非会員のものが約7割)、この内、バイクに関する相談は2016年では445件(6.8%)でした。新車バイク・中古バイクを件数別でみると、新車バイク73件(16.4%)に対して中古バイク291件(65.4%)となっています。その他の内容がありますので100%にはならないのですが、いずれにしても中古バイクの相談が多いと言えるでしょう。
トラブルの内容で見ますと、中古バイクの不具合(不調・故障)に関するものが129件(44%)と半数近くを占め、中古車(クルマ)(35%)に比べて10%近く比率が高くなっているのが特徴です。中古バイクの不具合に関するトラブルの中身をさらに分析しますと、6~7割が納車直後から1カ月以内に不具合が発生しています。
不具合に関するトラブルの主な発生原因をまとめますと、以下が考えられます。

① 販売時にすでに不具合が発生していたと思われるものが相当数ある
② 入庫・販売時のチェック(点検等)が行われていない
③ 保証付き、整備付きの販売が慣行化していない(多くは現状販売)
④ 不具合(隠れた瑕疵)が発生しても、無償修理に応じない
(バイク販売店に、「現状販売はノークレーム・ノーリターンで当たり前」との誤解)

残念ながら、ユーザーの信頼を得るには至らないバイク販売店も、まだまだ見られるのが現状です。

清水 バイク販売店の傾向として、BtoBの商習慣をそのまま消費者にも適応しているケースが見受けられます。悪質というよりも消費者保護にまつわる意識が低いという印象があります。

鈴木 おっしゃる通りで、バイク販売店の傾向として、元々、バイクに乗ることやいじることが好きでバイク販売店を始めた経営者の割合が高いため、技術屋的な方も多く、悪意があるというよりも、消費者を保護する様々な法律に対する認識が十分ではないことが原因となっているケースが多く見られます。我々としても、引き続きこうした関連法規に関する周知活動も行ってまいりたいと思います。
次に、不当表示を行う事業者への対策ですが、その前にまず、中古車(クルマ)と中古バイクとでは、不当表示や行為の中身が大きく異なることに注目していただきたいのです。中古車(クルマ)については、現在は走行距離の不当表示はあまり見られません。これは、過去から様々な取り組みを行ってきた成果と言えるでしょう。問題となっているのは、修復歴の不当表示です。一方、中古バイクについては、走行距離の不当表示が未だ見られ、バイクオークション会場、バイク情報誌・メディアの方々のご協力を得ながら、販売時の走行距離の表示について、実態把握調査を行い、不当表示が認められた事業者には、厳正な対処(措置等)をしていきます。

清水 「GooBike」に寄せられる相談を見てみると、中古車(クルマ)販売店と比べてバイク販売店の方が総じて在庫管理(メンテナンス)に対する意識が低く、結果、オトリ広告や掲載内容の相違に関する相談割合が高くなっております。中古車販売店とバイク販売店とで意識の差が生じている要因としては、中古車(クルマ)において、当社では重複制御システムの導入やオトリ広告の措置厳格化を推し進めていることも、影響していると考えられます。
整備不良等の車両品質における相談につきましては、苦情件数の発生時期および苦情の占める割合は中古車(クルマ)と同様の傾向が見られましたが、アフターケア時の苦情発生率がバイク販売店は大きく下がっており、納車からしばらく経過した後の整備、修理は自己責任で行なうもの、という意識のユーザーが多いのではないかと考えられます。
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