このエントリーをはてなブックマークに追加

PROTO総研/カーライフ インタビュー

「PROTO総研」は、株式会社リバネスと共同で若手研究者向け研究助成制度PROTO総研「プロト賞」を創設。これは、株式会社リバネスが運営する「科学技術の発展と地球貢献の実現」に資する若手研究者が自らの研究に情熱を燃やし、独創性を持った研究を遂行するための助成を行なう「リバネス研究費」を活用した、研究助成制度です。今回のPROTO総研「プロト賞」では、「自動車が関係するニーズ意識等の各種調査・研究及び将来必要となる自動車関連技術の研究・開発」にテーマを絞り広く募集を行ない、受賞者に東京大学 大学院 学際情報学府 博士課程 1年の渋谷 遊野(しぶや ゆや)さんを選出した。

今回は、受賞記念インタビューとして、受賞者の渋谷さんと指導教員である東京大学 大学院 情報学環・学際情報学府の田中教授を迎え、研究テーマや産学共同の可能性について話を伺った。

若手研究者を支援する研究助成制度
PROTO総研「プロト賞」受賞インタビュー 2017.2.20

時代に沿った形の産学連携を目指して

(出演者すべて敬称略)

―:まずは田中教授にお伺いします。東京大学 大学院 情報学環・学際情報学府は、2000年4月に発足された新しい組織と伺っておりますが、その目的を教えてください。

田中 おっしゃるとおり、東京大学 大学院 情報学環・学際情報学府は東京大学の中では比較的新しい組織です。「情報学環」という名前も聞き慣れないものだと思うのですが、これは『情報を核にして学問の環を作りましょう』というのがその主旨になると考えています。本大学院が関係する学問分野は、文系もあれば理系もあります。私の専門分野は社会情報学、情報経済論、ネットワーク経済論ということで、社会や経済観点で情報を扱います。そのほかにも、法律や社会学、社会心理学、メディア論という文系的な研究もあれば、コンピュータサイエンス、ネットワークインフラ、IoTといった理系的な研究もあります。データサイエンスにも取り組んでいます。さらに、芸術に関連する分野の研究もあります。今回PROTO総研「プロト賞」を受賞された渋谷さんの研究に関連して言うと、『情報をうまく活用することによって災害のダメージをいかに減らすか』ということも研究しています。
大学院 情報学環は、東京大学のいろいろな部局の協力を得ています。例えば、防災に関する研究についてみると、地震研究所や生産技術研究所の教員が2~3年程度の時限的に大学院 情報学環に来て、研究や教育に携わります。その後、元の組織に戻って、その後も教育や研究で協力していくとともに、新たな教員に来ていただく。そうやって関連する研究や教育が循環するのです。これが東京大学 大学院 情報学環です。渋谷さんは学際情報学府に属していますが、情報学環というのは研究組織で、学際情報学府というのは教育組織です。学際とあるように、情報を核とした様々な学問分野のことを文理融合的に勉強することを通じて、新たな人材の育成をするのです。

清水 それは、もともとはどのような問題提起から始まったのでしょうか。

田中 私自身が設立に携わったわけではありませんが、やはり、社会的課題を解決するために、いかに学問として貢献するのか、ということは意識にあったと思います。社会的な課題というのを解決しようと思うと、それは特定の専門分野だけでは今はとても解決できるものではないですから、そうすると、いくつもの学問分野が一緒になってやることになります。そのときに、T字型人材とも言いますけれども、ある特定の学問分野の研究を深く行うだけではなく、それ以外の関連する学問分野もよく理解できるようにする。それぞれのT字型の人間が集まり社会的問題を解決していこうということが考えられます。

清水 渋谷さんは慶應義塾大学を卒業後に地元である宮城県のTV局に入社されて、その後また東京大学 大学院に入学されていますが、その理由をお聞かせいただけますか。

渋谷 学部時代から、一度は地元の宮城県で働きたいという思いを強く持っていました。入社したTV局は、宮城県に本社がある会社なので入社しましたが、大変勉強になりました。報道記者として様々な人や地域の人に会って話を聞くことで、多様な視点があるということに気付かされました。また、地方に課題があるということも感じました。特に、東日本大震災を記者として経験したということが一番大きかったです。日々色々な問題を追いかけることは、意味のある仕事だったと思っていますが、じっくり時間をかけて、そうした課題一つ一つに向き合い解決に一歩貢献したいと考え、東京大学 大学院 学際情報学府に入学しました。

 

 

170126_011

―:ありがとうございます。それでは改めて、今回のPROTO総研「プロト賞」についてお伺いしたいのですが、今回のPROTO総研「プロト賞」というのはどういう経緯でできたのか、ご説明をお願いします。

清水 「PROTO総研」の目的は2つあります。当社は自動車業界で40年間情報ビジネスを行っている会社ですから、長年蓄積された膨大なデータがあります。それを「Goo」、「グーネット」とは違う切り口で、生活者の皆様にわかりやすく自動車に関連する情報をお届けすることを目的にしております。そして、もうひとつの目的が産学連携の強化です。当社は膨大なデータや色々な情報を持っております。学術領域の方々と連携することで新たな気付きがあると思いますし、研究者の方々にとってもそれは新しい発見や学術的にも成果が上がるのではないか、ということを目指していました。今回、株式会社リバネス様が運営するリバネス研究費とアライアンスを組むことによって、広範にわたるご協力を得ながら、PROTO総研「プロト賞」を構築する事ができました。事業会社であるプロトコーポレーションではなく、PROTO総研として若手研究者向けの研究助成制度「プロト賞」を立ち上げ、渋谷さんが栄えある第一回目の受賞者に選出されました。

―:まだ学校で勉強されている方でも応募できるということでしたが、若手の研究者の方にも参加してほしいというスタンスだったのでしょうか?

清水 そのとおりです。やはり若手研究者は、研究に対する熱意も高く、また当社のユーザー層に近しい年代層の若手研究者と一緒に研究を取り組みたいという我々のスタンスもありました。ビジネスの世界にいますと、どうしても視野が狭くなりがちです。今回たくさんのご応募をいただいて、多様な研究テーマがあることに気付かされました。また、応募者層も大学教授や、留学生の方もいらっしゃれば、大学院生、学部生もいて、想定以上の反応の良さ、反響の良さには驚いております。