このエントリーをはてなブックマークに追加

PROTO総研/カーライフ対談 第2回

PROTO総研/カーライフ所長の宗平がゲストをお迎えして、「クルマ」に携わるひと、ユーザーの皆さんに役立つお話をうかがうこのコーナー。今回は、自動車ジャーナリストの石井昌道さんと藤島知子さんをゲストにお迎えし、自動車業界にとって激動の「2016年」を振り返り、さらに2017年の展望へとつなげていく対談をお届けいたします。

自動車業界、2016年の総括と2017年の展望 2017.1.13

宗平 新年早々どうもありがとうございます。今回は自動車ジャーナリストとしてご活躍されていらっしゃる石井昌道さんと藤島知子さんに、自動車業界についてさまざまなお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

藤島 お招きいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。

石井 楽しみにしてきました。よろしくお願いいたします。

 

「カー・オブ・ザ・イヤー」に見る、クルマづくりのいま

宗平 まずは「2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー」ですが、今回は輸入車が非常に目立ったように思います。最終選考「10ベストカー」のうち過半数の6台が輸入車でしたが、これは日本車の出来が以前ほどではないということなのでしょうか?

石井 たしかに、ここ10数年の間、ドイツを中心とする欧州車ブランドのクオリティが伸びているのは事実です。ドイツの景気が堅調であることに加えて各メーカーが膨大な投資を行い、レーザー溶接も一般的になるなど生産技術が革新的に進化しています。ただし、これからは少し様子が変わると思います。といいますのは、ようやく日本のメーカーも新型プリウスに採用されたトヨタの「TNGA」や新しいレクサスの新しいプラットフォームなど、クルマの土台から作り方の思想が大きく変わっています。これでドイツ車ブランドと同じ土俵に立つことができるわけです。

宗平 ただ、カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのはスバルのインプレッサでした。今回はプリウスとの一騎打ちとなったわけですが、勝敗を分けたものは何だったのでしょうか。選考委員をなさるお二方が一番評価されたのは、どのクルマだったのでしょうか。

souken_taidan_topimg

impreza000

藤島 私は今回インプレッサに最高点をつけさせていただきましたが、それは、ドライブすることの楽しさと快適さが両立されたクルマに仕上げられていたからです。とくに路面のうねりや連続するカーブなどで実感できる動的質感の高さは、大衆的な国産車ではこれまで体感できないものでした。さらに、アイサイト装着車は非搭載車と比較して、事故の確率が約6割も減るそうですが、それでも防げない歩行者と自転車の死亡事故予防対策として、歩行者保護エアバックを全車に標準装備しているのです。これを200万円前後の価格帯の普及モデルに搭載してきた企業努力を評価したいですね。

石井 私もインプレッサに最高点をつけました(笑)。先程述べましたように、この新型インプレッサもドイツ流の作り方に近づけてきたものです。それは製品クオリティにダイレクトに反映されています。そして、プレミアムブランド並みのスポーティで快適な走りを実現している。また、良好な視界や衝突安全性能の高さ、充実した安全装備など、徹底的に「安全」へこだわっていることが最高点の理由なのですが、そのクオリティを安い販売価格で達成してきたところが、また素晴らしいです。日本車の巻き返しを高らかに宣言したような印象を受けます。ご存知のとおり、プリウスの燃費性能は圧倒的です。走りも大幅によくなっています。ただ、安全基準においてはインプレッサの方が勝っていたと思います。走りでもインプレッサに軍配が上がります。そして繰り返しますが、やはり価格が魅力的でした。

藤島 歩行者保護のエアバックがボンネットに取り付けられていますが、これは日本車としては初めてでした。ドライバーをはじめとする乗員だけでなく、衝突事故などの被害者になってしまう「歩行者」の安全も配慮したところに安全思想自体の進化が感じられます。

_P0A0850
p34_03s