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【連載コラム】カーライフ分析

PROTO総研では、長年にわたり中古車購入に関するユーザーデータを蓄積してきた。当コーナーではその膨大なデータを利用して、中古車購入の実態や傾向について分析していく。(掲載されている内容はグー本誌2019年9月号の内容です)

愛車の処分先として、半数の人が「下取りに出す」その理由とは? 2019.8.10

次の愛車が新車ではなく
中古車というのがポイント

クルマの買い替え時における古い愛車の処分方法をみると、約半数の人が新しい愛車を購入した店舗に下取りさせている。買取店へ売った人の比率は10%程度だ。最近は買取店の宣伝も活発に行われているから、もう少し比率が高いと予想されていただけに意外な結果である。
そこでまずは、このデータのターゲットユーザーの購入種別をみてみると、約90%が「中古車として購入」と答えている。つまり前の愛車を売却した相手は、新車販売店ではなく中古車販売店になるわけだ。
新車ディーラーがクルマを下取りする場合、自社のクルマであれば併設される中古車販売店に並べられることが多いが、他社のクルマはオークションを経て流通させるなどコストを要する。したがって高い金額で下取りしてもらえないことが多いため、ユーザーは買取店へ流れる。
ところが、売る相手が中古車販売店なら、大半の車両は自社の販売店に並べられる。それならば、買取店と同等かそれに近い査定が可能なので、多くのユーザーが、次の愛車を購入した中古車販売店にそのまま下取りに出すという構造になっている。
さらにデータによれば、古い愛車の運転期間は10年以上が最も多く、全体の約60%は中古車として購入後に5年以上乗っている。このような車両が高額で売却できたとは考えにくく、仮に買取店の査定金額が上まわっても少額にとどまる。さらに下取りのほうがやり取りも簡単になるため、多くのユーザーが次に購入する中古車販売店に売却している。

 

「下取り」に出すユーザーは年々増加傾向にあるが、その一方で減っているのが「廃車」。クルマの製品としての寿命が延びていることが影響していると考えられる。

「下取り」に出すユーザーは年々増加傾向にあるが、その一方で減っているのが「廃車」。クルマの製品としての寿命が延びていることが影響していると考えられる。

 

買取店へ売却するとなると、交渉、査定、書類の用意など、下取りよりひと手間多くなりがちだが、愛車の車種やグレード、状態次第では、高価な買取金額が期待できる。

買取店へ売却するとなると、交渉、査定、書類の用意など、下取りよりひと手間多くなりがちだが、愛車の車種やグレード、状態次第では、高価な買取金額が期待できる。

 

※データを引用した『カーユーザーレポート2019』は、自動車を所有するユーザー6181人に対して、2018年12月に実施したアンケート調査をまとめたもの。
※グラフの%の値は小数点第2位以下を四捨五入しています。

Profile/自動車評論家 渡辺陽一郎
ユーザー側の視点に立つことにより、「読者に損をさせない」記事の執筆を心がけているカーライフ・ジャーナリスト。