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【連載コラム】カーライフ分析

PROTO総研では、長年にわたり中古車購入に関するユーザーデータを蓄積してきた。当コーナーではその膨大なデータを利用して、中古車購入の実態や傾向について分析していく。(掲載されている内容はグー本誌2019年5月号の内容です)

愛車の利用用途からわかる地域ごとの特色とは? 2019.4.22

公共の交通機関の発達が
影響を与える利用用途

クルマの用途を地域別に見ると、東京都は日用品の買い物が約43%で最も多く、通勤・通学は約18%と最も少ない。東京都では、通勤や通学には公共の交通機関が使うことが多いため、その比率が低く、日用品の買い物が相対的に増えている。
逆に北陸地方は公共の交通機関を使いにくく、クルマが1人に1台の割合で所有される。そこで通勤・通学も約64%に達した。国勢調査の結果でも、北陸地方の富山県と福井県は、自家用車通勤・通学率が高い。日用品の買い物にもクルマを積極的に使うが、それ以上に通勤や通学で毎日のように運転するため、日用品の買い物という回答は約23%と低い。
中国地方においても通勤・通学の比率は約56%を占めている。中国地方は軽自動車の世帯当たり普及率も高く、鳥取県と島根県は、10世帯あたり10台を超えている(最も低い東京都では1台少々)。
不思議なのは、長距離移動が多そうな北海道で、通勤・通学比率が約42%に止まっていることだ。国勢調査の結果を見ても、通勤・通学における北海道のクルマ利用率は高くない。この背景には、北海道の人口が、札幌市を筆頭に旭川市、函館市など都市部に集中しているという事情がある。全人口に占めるクルマ通勤・通学者数は、意外に少ないのだ。
また旅行・ドライブの用途は、東京都と大阪府が圧倒的に多い。公共の交通機関が発達している地域では、クルマは実用品ではなく趣味の対象であり、旅行・ドライブの比率が高まっている。

 

通勤・通学は北陸、旅行・ドライブと家族の送迎は東京都、日用品の買い物は大阪府、仕事では沖縄が、それぞれトップのエリアとなっている。

通勤・通学は北陸、旅行・ドライブと家族の送迎は東京都、日用品の買い物は大阪府、仕事では沖縄が、それぞれトップのエリアとなっている。

 

家族構成や行動パターンにもよるが、家に一台クルマがあるだけで、日々の生活における行動範囲は大きく広がる。

家族構成や行動パターンにもよるが、家に一台クルマがあるだけで、日々の生活における行動範囲は大きく広がる。

 

※データを引用した『カーユーザーレポート2019』は、自動車を所有するユーザー6181人に対して、2018年12月に実施したアンケート調査をまとめたもの。
※グラフの%の値は小数点第2位以下を四捨五入しています。

Profile/自動車評論家 渡辺陽一郎
ユーザー側の視点に立つことにより、「読者に損をさせない」記事の執筆を心がけているカーライフ・ジャーナリスト。