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【連載コラム】カーライフ分析

PROTO総研では、長年にわたり中古車購入に関するユーザーデータを蓄積してきた。当コーナーではその膨大なデータを利用して、中古車購入の実態や傾向について分析していく。(掲載されている内容はグー本誌2018年9月号の内容です)

ハイブリッド全盛の時代になってもガソリン車人気が根強い理由とは? 2018.8.23

各ユーザーの走行距離が 損得勘定のカギとなる

ユーザーが次回購入検討しているクルマのエンジンタイプは、約62%がガソリンエンジン(ノーマルエンジン)で占められ、ハイブリッドは20%以下にとどまる。現在の愛車のエンジンタイプは、約92%がガソリンエンジンで、ハイブリッドは5.5%だ。つまりハイブリッドカーへの乗り替え希望が増えてはいるものの、その数は多くない。

理由は3つある。まずハイブリッドカーの車種数が少ないことだ。次回購入を検討している車種を見ると、1位にハイブリッドカーのアクア、4位にもプリウスが入るが、そのほかは軽自動車などが占める。ハイブリッドカーは人気だが、車種が限られるから意外に選ばれにくい。

2つ目の理由は、クルマの購入予算だ。100万円以上200万円未満が約36%と最も多く、この価格帯で買えるハイブリッドカーは、新車であれば、アクアやフィットハイブリッドになる。ミドルサイズを選ぶには、予算の上乗せが必要だ。

3つ目の理由は1年あたりのガソリン代で、年額10万円以下という人が全体の70%に達する。そうなると実用燃費が15km/L、レギュラーガソリン価格が140円/Lとした場合、70%の人達は年間走行距離が1万km以下に収まる。この使い方ではハイブリッドカーの価格上昇分を、燃料代の節約で取り戻せない。

このデータは、ハイブリッドカーの現実を分かりやすく表現している。多くのユーザーの走行距離を考えると、ハイブリッドカーを選んで、損得勘定で得をする人は意外に少ない。

 

[次回購入を検討しているクルマのエンジンタイプ]

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[次回購入を検討している車種]

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[次回購入を検討している予算]

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検討車種は、コンパクトカーや軽自動車がトップ10の多くを占める内容となった。購入予算も100万~200万円の価格帯が一番多く、それを裏付けている。

 

※データを引用した『カーユーザーレポート2018』は、自動車を所有するユーザー6181人に対して、2017年12月に実施したアンケート調査をまとめたもの。

※グラフの%の値は小数点第2位以下を四捨五入しています。

 

 

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近年は安全装備の充実や低燃費技術の採用など、軽自動車を含めて価格が上昇している。一方で平均給与は20年前の水準には戻っていない。そのため小さなクルマに代替えするユーザーが増えるのも当然といえる。

 

Profile/自動車評論家 渡辺陽一郎

ユーザー側の視点に立つことにより、「読者に損をさせない」記事の執筆を心がけているカーライフ・ジャーナリスト。